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メラムチ給水プロジェクトのモニタリング


ネパールのメラムチ給水プロジェクトは、首都カトマンズの水不足を解決するために、メラムチ川から26kmの導水トンネルを建設する事業で、ADBやJBICなどが融資を行っています。しかし、メラムチ川の現地住民やネパールのNGOからは、大量取水によるメラムチ川の生態系破壊や農業・漁業への影響など、強い懸念の声が上がっています。 当センターでは、メラムチ給水プロジェクトにおける負の環境・社会影響を回避・最小化するためにネパール現地などにおける調査、援助機関・政府への政策提言、研究者・メディア関係者などへの情報提供を行っています。

プロジェクト最新情報:ネパールの深刻な人権状況を懸念してドナーが相次いで撤退(2006年4月12日)

ネパールの深刻な人権状況を懸念して、建設中のメラムチ給水プロジェクトのドナーが次々に融資を引き上げている。ネパールでは、2005年2月に国王が議会を強制的に解散して以降、マオイストとの紛争が激化し、政府関係者・市民活動家の逮捕や報道・通信・通行の制限が各地で行われている。こうした中で、2005年7月にノルウェー政府が、深刻な人権侵害と民主主義の後退があるとして、融資引き上げを決定。2006年4月には、スウェーデン政府が融資引き上げを決定した(カトマンズポスト)。

メラムチ給水プロジェクトは、カトマンズの水不足を解決するために、メラムチ川から26キロメートルの導水トンネルを掘り、浄水場・水道管の整備と水道事業の民間委託を目的とするプロジェクトだ。プロジェクト総額4億6400万ドルのうち、1億2000万ドルをアジア開発銀行(ADB、日本政府が最大のドナー)が融資、5200万ドル相当の円借款を国際協力銀行(JBIC)が融資している。今回のノルウェーとスウェーデンの融資引き上げにより、約5000万ドルの予算不足になる。

このプロジェクトは、国家予算がわずか9億ドルのネパールで、その半分近くに相当する巨大プロジェクトだ。紛争の背景には、カトマンズをはじめとした都市部への公共投資の一極集中という問題もある。また、現地住民は、導水トンネル建設後のメラムチ川の流量減少、農業・漁業への影響なども懸念している。したがって、ADB、JBICなど、残りのドナーも融資を引き上げ、プロジェクトを一旦中止にする必要がある。融資機関であるADB、JBIC、そして日本政府の今後の対応が注目される。

※本プロジェクトに関してより詳しい情報は、ブリーフィングペーパー「ネパールのメラムチ給水プロジェクトにおける環境・社会影響とアジア開発銀行のアカウンタビリティ」(定価500円、送料別)をご覧下さい。ご注文は、こちらからお願いします。

●関連リンク

担当: 田辺有輝

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