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アジア開発銀行(ADB)とは?

Q:アジア開発銀行(ADB)とは何か?

ADBは、アジア・太平洋地域の経済開発の促進を目的としてた投融資や技術支援を行う地域開発銀行として、1966年12月に設立された。2006年7月現在、66の国と地域が加盟している(うち域内が47ヵ国・地域、ヨーロッパ・北米など域外が19ヵ国)。年間の貸付額(承認ベース)は2005年実績で約57億ドルに上る。日本は設立当初から最大の出資国で、歴代の総裁もすべて日本人である。

本部はマニラにあり、45ヵ国出身の865名の専門職員とフィリピン出身者が大多数を占める1,570名の補助職員が働いている。ニューデリー、ダッカ、ジャカルタなど域内23ヶ所に駐在員事務所または出張所を置くほか、東京に駐日代表事務所、ワシントンDCに北米代表事務所、ドイツ・フランクフルトに欧州代表事務所がある*1。

Q:ADBの戦略とは?

ADBは業務における戦略的目標として(1)経済成長の促進を大きく掲げており、その他に(2)貧困緩和、(3)女性の地位向上、(4)人的資源の開発(教育・保健衛生など)、(5)環境保護を掲げている。

1999年にADBは、業務の「抜本的な転換」に取りかかった。これは「貧困削減」をADBの包括的目標(overarching objective)として位置付けるというもので、同年11月に は「新貧困削減戦略」が理事会で採択された。ADBはこの貧困削減戦略を実施に移すた め 、戦略・政策局に貧困削減担当室を創設し、主要部局の長で構成される「貧困削減に関 す る総裁委員会」を設置した。

この新たな取り組みに対し、NGOからは、業務の転換に期待する声がある一方、果た し て実際の業務に効果的に反映されるかどうかいぶかしむ声も挙がっている。これまで多 くのNGOが指摘してきた点は、ADBの基本的な開発戦略が、その融資傾向に如実に示され ているように、「経済成長は貧困削減を達成するための必要な方策である」というもの であり、この”開発ドグマ”とも言える根本的な姿勢は「新貧困削減戦略」においても 、依然として根強くこの機関を支配している。

Q:ADBの主な業務内容は?

ADBによる業務の主な内容は、地域内発展途上国の政府や民間セクターによる開発プ ロ ジェクトに対する貸付や直接投資、保証業務である。また、こうした開発プロジェクト の計画・実施における支援や政策助言を目的とした技術援助も供与している。 対象分野は、農業、天然資源、エネルギー、工業、非燃料鉱物、金融、運輸、通信、 社会基盤整備、マルチセクターなどで、2004年における各セクター配分は図1の通りである。

図1.ADBの融資状況(2004年承認ベース 単位:億ドル)

ダムや灌漑、発電所、道路の建設といった社会・経済インフラ建設への貸付が中心を占め、貸付ポートフォリオ全体の約60%を占めている。ただ、最近はセクターローンやプログラムロ ーンの割合も増加している*3。

Q: ADBの主な出資国と借入国は?

ADBの出資国は日本と米国が最大であり、次いで中国、インド、オーストラリアとなっている。一方、借入国は第1位が中国、第2位がインドネシア、第3位がパキスタンであり、この3ヵ国への貸付が、ADB貸付総額の約6割を占めている。また、南アジア諸国への貸付は34.1%である*4。

図2.ADBへの出資割合(2006年4月30日現在)

図3.国別融資状況(2005年 単位:億ドル)

Q: ADBの財源はどこから調達しているのか?

ADBの活動の財源は、通常資本財源(OCR)と特別基金で構成される。

1.通常資金財源(OCR):OCRは(1)加盟国からの出資金(払込資本金)、(2)準備金(手数料や利息などからの累積利益余剰益)、(3)民間資本市場からの借入金(ADB債発行)からなる。ちなみにADBは主要な国際信用格付け機関(Standard & Poor’s , Moody’s Investors Service , Fitch)から最高の投資格付けを得ており、債券発行によって年間約40〜50億ドルを調達している。これらOCRによる貸付はADBの貸付累計の約72.9%を占める。

2. 特別基金:特別基金は譲許的な条件で貸付を行う為の資金で、日本、米国、欧州、オーストラリアなど先進国のドナー各国からの拠出金が主な財源である。こうした特別基金には、アジア開発基金(ADF)、技術支援特別基金(TASF)、日本特別基金(JSF)、ADB研究所特別基金(ADBISF)がある。また、1999年3月にはアジア通貨危機支援資金(ACCSF)、2000年5月には貧困削減基金(JFPR)が日本の資金によって新たに創設されている。

  • アジア開発基金(ADF):ADB最大の特別基金で、1人当たりのGNPが低く債務返済能力に限りがある開発途上加盟国(DMCs)に対して、OCRよりも緩やかな条件で貸付を行うことを目的に、1973年に設立された。貸付条件は、(1)プロジェクトに対する貸付の返済期間は8年の据置期間を含む32年、(2)セクター開発などプログラム・ローンの返済期間は8年の据置期間を含む24年、(3)新規貸付はすべて、据置期間中は1%の金利、その後は1.5%の金利(元本は均等償還)である。また、2004年6月に開かれた理事会で、緊急援助貸付の貸付期間が以下のとおり承認された。返済期間は10年の据置期間を含む40年。金利は据置期間中が年利1%、据置期間後の最初の10年が2%、それ以降は4%となっている。30ヵ国のドナー供与国が資金を拠出し、約4年ごとに増資が行われる。日本はADFの最大ドナー国で、2005年末現在、全体の約46%(約113億3894万ドル)を拠出している。その他の主なドナー国は、日本に次いでアメリカ、カナダ、ドイツ、オーストラリアの順となっている。なお、2005年末現在、ADFからの貸付残高は202億ドルとなっている。
  • 技術援助特別基金(TASF):技術支援業務に伴う無償援助の資金。2005年に承認された技術援助全体の内、45%はTASF資金によるものであった。財源は、加盟国による自主的な拠出、OCRの純利益及びADFからの割り当て金、投資などからの収入によって賄われる。
  • 日本特別基金(JSF):DMCsの経済再建、新規投資の拡大を図ることを目的に、1988年3月に設立。日本が全額拠出し、主にプロジェクト準備技術援助(PPTA、案件の発掘・形成、実行可能性調査・環境アセスメント調査など)や、技術移転に関する支援などに使われる。最近は、ADBの各種政策や情報の現地語翻訳などにも活用されている。
  • ADB研究所特別基金:1997年にADB研究所の設立、及び運営経費に対して日本が拠出を行った経緯から、ADB研究所特別基金が設立。ADB研究所規則に則り、現在、ADB研究所の運営経費はこの基金から充てられている。2005年末までの日本の累計拠出約定額は、換算調整を除いて132億円(約1億,1010万ドル相当)となった。拠出金総額の内、9,360万ドルがシンポジウムや研修の企画・実施、研究報告書の作成・発行などの研究及び能力開発活動や関連管理経費等に利用されている。
  • 貧困削減日本基金(JFPR):2000年5月に日本政府が約100億円を出資して設立された信託基金。貧困削減活動、及びその関連の社会的開発活動を支援するために、DMCsに対し無償資金を提供している。 この基金の目的は、(1)貧困層及び社会的または経済的に排除されているか、脆弱な層に直接効果のある貧困削減活動及び社会開発活動の支援、(2)貧困層の自助努力の促進、(3)地域社会レベルにおける幅広い利害関係者の参加の促進、(4)開発途上加盟国における事業及び持続可能な貧困削減に向けてのアプローチに対する組織的影響力の提供、の4つであるとされている。また、基金によって支援される代表的な活動とは、(1)小規模な、貧困層のための基本的な経済・社会的サービスの提供、(2)貧困層のための小規模プロジェクトに対して資金を拠出している社会開発基金活動の支援、(3)貧困削減及び社会開発を支援するNGOの活動支援、(4)各国政府及び、開発途上加盟国における貧困削減努力の効果と持続性向上のための住民団体のキャパシティビルディング、となっている*5。

Q:日本とADBの関わりは?

MDBsのなかでADBは財政・人材の両面において、日本が最も大きく影響を及ぼしてきた機関である。設立当初より日本はADBの最大出資国であり、歴代の総裁もすべて日本人である。

財政面ではアメリカと並ぶ最大債権国で、出資口数は総資本の15.73%を占め、全加盟国総投票権数の12.9%を保有している。またADB財源の内、ADBが管理を行う基金においても、アジア開発基金(ADF)の総額資金の38.55%にあたる86億ドル(約束ベース)を担うほか、アジア開発銀行研究所特別基金(ADBISF)などへの最大の拠出国である。

さらに、日本特別基金(JSF)や貧困削減日本基金(JFPR)などの基金を設立している。また、人材面においては総裁に加え、戦略・政策局長、南アジア局長、予算・人事局長、財務局長など、事務局の主用ポストにも日本人スタッフが配置されている。全専門職員の内、日本人の占める割合は13%で117名(男性87名・女性30名)が勤務している。

<注>

  1. ADB『アジア開発銀行の概要』,2006、ADB『アジア開発銀行年次報告』,2005,p25、財務省『MDBsパンフレット』,2006
  2. 第40回アジア開発銀行総会京都開催支援推進会議ウェブサイト、ADB『アジア開発銀行年次報告』,2005,p39
  3. ADB『財務概要2006アジア開発銀行』,2006,p4、財務省『MDBsパンフレット』,2006、第40回アジア開発銀行総会京都開催支援推進会議ウェブサイト、ADB『アジア開発銀行年次報告』,2005,p34
  4. ADB『アジア開発銀行年次報告』,2005 pp.130~132
  5. ADB『財務概要2006アジア開発銀行』,2006, p5p18、ADB『アジア開発銀行年次報告』,2005,p20・125・126・169、ADBウェブサイト
  6. ADB『アジア開発銀行と日本』,2005、『アジア開発銀行年次報告』,2005, p182

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